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刃物業界の元老を送る 久保泉翁の告別式 中濃地方まれに見るその盛儀(1964年8月23日 中濃新聞)

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刃物業界の元老を送る 久保泉翁の告別式 中濃地方まれに見るその盛儀

関市吐月町、故久保泉翁の告別式は18日午前10時から
菩提寺の同市西日吉町千手院で厳かに執り行われた。
この日空はからりと晴れ故人の偉徳をたたえるように
太陽はさんさんと輝いていたが、秋立つ風は何かもの悲しげに
山内の樹々の頭をたれさせていた。

本堂中央の祭壇には故人の遺骨がまつられ、
その前に茶帽子に笑をたたえた翁の遺影が在りし日の翁を偲ばせた。
祭壇を中心にいろいろな供物が飾られ、
衆議院議員野田卯一氏、関市長亀山一二氏、
フェザー安全剃刀、三和刃物、久保鋳造所の生花や
三星刃物の花燈籠などが飾られてあった。

また本堂前には各方面から供えられた数十籠の生花が、
さながらお花畑の如く美しく、また長い参道の両側には後藤益夫県議をはじめ、
これまた各方面たら供えられた百余の花環が花の壁を築いていた。
定刻前から故人をしたう人々が山内に集まり会葬者は堂の内外で数百人を数え、
関刃物業界の大元老であり、文化人であった久保泉翁の葬儀にふさわしい盛儀で、
中濃地方まれにみる葬儀であった。

社長の司式で始められた葬儀副委員長小石修一氏が開式の辞を述べ、
読経のあと霊前に進み出た葬儀委員長渡辺善吉氏は大要別項のような弔文を捧げた。
ついで曹洞宗管長高階槞仙老師の専使高橋定道師より
弔詞が捧げられたかくて関市長 亀山一二
関商工会議所代表・元重保存会長 岸田寿朗、
関利器生産組合連合会長 山田吉太郎、関刃物会社社長 正堺三男、
寿大学代表 松田隆太郎、高泉会代表 板津誉曽一、
有限会社久保鋳造所・関特殊利器製造株式会社従業員代表 杉山順蔵の
諸氏から弔辞が捧げられた。
つづいて鳥落社代表 広瀬青楊氏が俳人亀泉翁の霊に
別項のような鳥落社同人の弔句を手向けた。

小石需氏から百通に余る弔電が披露されたが、
野田、山本、三田村、渡辺、古池、田中各国会議員や
松野知事ら政界人の名に会葬者は耳をそばだてた。
かくて三導師の引導香語があり重ねて読経がはじまり、
渡辺葬儀委員長に続いて嗣子久保公二氏夫妻、二男久保欽司、
三男久保鐘両氏ら子、孫、曾孫ら遺族親族らの焼香があり、
本堂前広場の焼香台は一般会葬者の焼香の列が延々と続き香炉は秋風にゆらいだ。
続いて久保公二氏夫妻はマイクを通じ亡父の告別式にあたり、
かくも多数の方々の御会葬、御焼香を賜わり御厚情のほど厚く御礼を申し上げます。
さぞかし亡父も草葉の陰で感涙にむせんでいることでありましょう。
私ども兄弟は毛利三矢の教えを学び亡父の偉業を継承し、
父なき後と云えども家門の名誉をけがさないよう努めたい決意であります。
と謝辞を述べ、小石葬儀副委員長の閉式の辞に告別式を終った。

郷土関市の先覚者 渡辺葬儀委員長の弔文

人間の幸不幸はその死にぎわで初めてわかるものです。
あなたは七八才で天寿を完うされましたが、
その末期には嗣子公二氏夫妻をはじめ肉身眷族にみとられ
後顧の憂いなく安楽大往生をとげられた。
あなたこそ本当に人間としての幸せな生涯を過ごされたと云えましょう。

関鍛治の名匠、奈良太郎藤原兼景の後裔久保家は関刃物業界の名門で
あなたはその家業を継承事業を繁栄に導かれました。
しかも独り久保家だけでなく郷土の産業、経済、文化の発展にも大いに力を尽された。
明治の中期、早くも洋刃物に着目その生産の草分けに当たられた。
鋳物技術も導入されました。
また大正5年には業者の団結のため関刃物同業組合を設立されその指導者になられた

また業界繁栄の礎を築いた刀祖元重翁へ感謝するため
同志と相図って元重翁の頌徳碑を建立され、さらには最近は
元重翁生誕地の調査を行なうなどその足跡は偉大なものがある。
風流の道にも通じておられた。
あなたの霊魂は永くとどまり後輩のわれわれを導かれることでしょう。

殊にあなたは嗣子公二氏をはじめ立派な子女をもうけられた。
子女の皆さんは、それぞれの道に励み、社会人として立派に活躍しておられる。
あなたは後に何の心配もない。安心して黄泉の客となられました。
心からご冥福をお祈りする。

手向け句 鳥落社

世を去りて天意の花の中に座す  環 房代
永遠の別れかなしや花桔梗    柴田紫水
秋風や杖をたよりの一人旅    篠田思考
彼の岸へ棹さす人や夏の月    兼村虎竹
君がかげ瞼に去らず秋あつし   恩田草水
数球を手に浄土の旅路蓮明り   広瀬青楊
君偲ぶ泉のほとり蝉しぐれ    山田育郎
元重の碑に秋草や君しのぶ    包子正堂
あるじなき亀泉亭や虫の声    薫田香夢
白さみし芙蓉しぼみて宵せまる  尾関竜人

謹啓 亡父泉儀
葬儀に際しましては残暑きびしき折柄わざわざ御会葬御焼香賜わり
且つまた御鄭重なる御香資を拝受し御芳情のほど厚く御礼申し上げます。
早速参上のうえ御挨拶申し上げるのが本意でありますが
取り込み中のため略儀乍ら紙上をもちまして御会葬の
御礼を申し上げ併せて生前の御交誼を深謝申し上げます。

敬具
昭和39年8月23日
岐阜県関市吐月町
嗣子 久保公二
親戚代表 渡辺善吉
有限会社久保鋳造所
関特殊利器製造株式会社

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